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破獄 (新潮文庫)

吉村 昭
おすすめ度:★★★★★
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破ろうとする者と破られまいとする者の行き詰る攻防戦!
おすすめ度 ★★★☆☆

犯罪史上他に例のない4度の脱獄をやってのけた佐久間清太郎。
いったい彼はどのようにして脱獄することができたのか?
彼と看守たちとの攻防を描いた作品。

どんなに頑丈な手錠をかけ警備を厳重にしても、彼は脱獄する。
難攻不落と言われた網走刑務所からも、やすやすと逃げてしまう。
世の中に100%完璧なものなどない。99.9%完璧だとしても、
佐久間は残り0.1%の不完全さを見抜いてしまう。その彼の
洞察力や行動力、そして知恵には驚嘆させられた。破ろうとする者と
破られまいとする者の行き詰るような攻防戦は、読んでいてとても
面白かった。彼はこの先どうなるのか?彼の行く末が気になったが、
ラストの鈴江と佐久間の交流は、胸に迫るものがあった。実際に
起こったできごとをもとに書かれているだけあって、現実味あふれる
作品だった。



驚嘆の男
おすすめ度 ★★★☆☆

個人的には吉村先生のドライで長大な本作よりMONSTERSの簡潔でウェットな白鳥への叙述に心惹かれるのですが・・

こんな男が居たということ、人間の恐るべき可能性を信じることができると思います・

教養もない小男が、世間を心胆寒からしめるその脱獄とは!?

長旅で一人になったときなどぴったりの一冊だと思います



現代の管理社会のストレスに通じる
おすすめ度 ★★★★★

青森、秋田、網走、札幌の各刑務所の脱獄に成功した主人公「佐久間清太郎」の頭脳と体力のすごさに驚かされた。このようなことは、映画の世界だけかと思っていたが実際にあったことだとということで、更に驚かされた。本作品を読むきっかけになったのは、12月末に寒冷の網走へと旅行に行った時に、網走監獄博物館を訪れて、本の主人公「佐久間清太郎」の話を聞いて興味をそそられたからである。脱獄を繰り返す主人公「佐久間清太郎」VS看守との戦い。心理作戦など見事に描かれている。単に脱獄の手段や経緯を綴った物ではなく、時代背景を織り交ぜて監獄の施設の状態や囚人の置かれた状況も知ることができる。また、主人公「佐久間清太郎」が最後に服役した府中刑務所で出会った所長の鈴江の民主的な心が通った処遇により主人公が変わる様子は、現代の管理社会でのストレスに何らかの通じるものがあるように思う。



最後の刑務所長の謙虚さが光る!
おすすめ度 ★★★★★

4回破獄した男が、最後の刑務所長の扱いに戸惑いながらも、破獄しなくなっていく過程がこの本の最高の見せ場であるが、その時にも、最後の刑務所長は自分の男に対する扱い方の上手さではなく、この男が4回繰り返した破獄に疲れたから、また、社会が敗戦に喫し民主主義に向かっていっているからなど、絶対に傲慢にならない謙虚さが光っている! 人間と人間が正面から向き合うことの大切さを説いている本だと思う。 娘にも、その内、読ませてみたい。



圧倒的な存在感の男、佐久間清太郎。何度読んでも飽きない名作!!
おすすめ度 ★★★★★

「容易ならざる特定不良囚」と呼ばれ、四度の脱獄を果たした無期刑囚佐久間清太郎。この作品は、脱獄する彼とそれを防ごうとする刑務官達の闘いを、戦中・戦後の時代背景と当時の行刑史を重ね合わせながら描いた物語である。

佐久間の緻密な計画、看守達の心理を見抜きそれを操る言動や獄中での行動、そして人間離れした脱獄の方法…。圧倒的である。

佐久間は感情と行動の振幅が激しい男である。彼は脱獄をする理由を、自分に対する刑務所の苛烈な扱いと刑務所で冬を越すことの不安、と答えるのだが、作中にもあるとおり、当時最も大事であった食糧については刑務官を含めた一般人より囚人の方が恵まれていたのである。刑務所の苛烈な扱いも彼の行動が原因となった場合もあり、逆恨みも混じっている。

その一方で彼は自分に優しく接した人物…例えば、彼は網走刑務所脱獄後に殺人を犯し札幌地裁で死刑判決を受けた後(最終的には交際で傷害致死と判断され無期刑)に札幌刑務所を脱獄するのだが、後に逮捕されたのは職務質問をしながらタバコを一本差し出した警官に対して自ら佐久間と名乗ったことによる…には自分の置かれている立場も省みず従順ともいえる態度を示す。

佐久間は最終的には“暖かい”府中刑務所に服役するのだが、所長は佐久間に対して他の刑務所とは正反対の態度で彼に接することを決断する。これが功を奏し佐久間は脱獄の意志を失っていく。彼は何故脱獄するのか?脱獄して何をしようとしたのか?何故脱獄するのに疲れたのか?その答えは簡単なようで本当のところは彼にしか解らないのかもしれない。もしかしたら彼にも最後は解らなくなったのかもしれない。

著者には行刑史や刑務所(刑務官)を描いた作品が他にもあるが、物語としては、元無期刑囚を描いた純然たる小説である「仮釈放」と並んでこの作品が最も良い。



はっきりいって、すさまじい出来です。
おすすめ度 ★★★★★

言うまでもなく最高峰 。従来の伝統を引き継ぎつつ、バランスがうまくとれてます。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。


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