上記の引用に限らず、(多分)日常的に誰もが感じるであろう叙情的な要素を、非常によく切り取っていると思います。しかも、それを叙情で終わらせるのではなく、ユーモアに着地させようと呻吟している姿に心打たれました。ピート・ハミルの「ブルックリン物語」、ひいてはカート・ヴォネガットの諸作品を読んだ時のような読後感です…といったら言い過ぎなんですが、今後を大いに期待したい作家さんです。
「まんが道」ではなくおすすめ度
★★★★★
タイトルから想像して、ギャグをからめたサクセスストーリーとしてのカラスヤ版「まんが道」なのだろうと思い本書を手にとった。
ところが、ギャグはところどころあるものの、上京によるとまどい、ひとり暮らしの孤独、漫画家という職業による将来の不安、などの描写と話の途中にはさまれる東京の風景スケッチとあいまって、まるでつげ義春の作品でも読んでいるような辛気くさい雰囲気にとまどった。
しかし、本書の後半にある「出来事」(これはあなたが読んで確かめていただきたい)を読んでその理由がわかった。
この本は、ひとりの男の上京物語であるだけでなく、人生の物語でもあるのだ。
「明日には忘れてしまうような事を 話したりできる相手がいれば 人生が 楽しくなると思ったら 大まちがい んなことは関係なく いかなる時も 人生は 楽しまなくてはなるぬ」(本書94頁)
カラスヤサトシの人生哲学(と言ってはおおげさか)が表れた、いい言葉だと私は思う。
単行本「カラスヤサトシ」の裏が見えるおすすめ度
★★★★★
この作品は「カラスヤサトシ」を熟読している読者にとっては時系列を整理しながら読むと一層深みが増します。
この作品単体としても笑いあり、涙あり、叙情的な風景ありと素晴らしい内容です。
超クール!
泣いた!おすすめ度
★★★★★
ギャグかと思ったら、思いのほか泣けました!いい作品です。
すばらしい
おすすめ度 ★★★★★
これが発売されるのを心待ちにしていました
。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
ホント満点を付けても良い出来です。