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追憶のかけら (文春文庫 ぬ 1-2)

貫井 徳郎
おすすめ度:★★★★★
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読み応えがある
おすすめ度 ★★★★★

「かつての恋人を探し出して、謝罪の気持ちを伝えてほしい」。亡き友人に願いを託された新人作家の若者が、戦後間もない東京で雲をつかむような人探しを始めた。美談にこそなれ悲劇になど結び付きそうにもない善意の行いは、なぜか得体の知れない敵を呼び寄せ、ささやかな幸せに包まれていた若者の生活は徐々に破綻した。わけのわからないまま追い詰められた若者は、すべてを手記につづって遺書とした。50年後、ひょんなことでその手記を入手した大学講師は、事件の真相を探り始めたのだが、それをきっかけに彼もまた何者かの悪意に絡め取られていく。

時代も背景も違う二人の人間が、同じように顔の見えない敵に追い詰められていくというストーリーがとても謎めいています。いったいだれが、何のために? 冴えない大学講師が必死に謎を追ううちに、全く関連がなかったはずの二つの時代、二人の人生が交差していく構成が見事でした。
殺人事件も警察捜査もない本作は、読み始めはどちらかというと地味な印象でしたが、ミステリーとしては決して地味ではなく、特に終盤、主人公を取り巻く世界がオセロのように一転また一転する様は圧巻でした。自分を取り巻いていた世界がひっくり返って思わぬ悪意を晒すが、しかし悪意もまたひっくり返って・・・救いのあるラストがよかったです。
「手記」が旧字体・旧かな使いで、これもまた雰囲気があって面白かったです。



細部まで妥協なし
おすすめ度 ★★★★★

届いてからずっと気に入っています 。とにかくこれは絶対買いだ!
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。



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貫井徳郎



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