寅さん映画でも出色の一作おすすめ度
★★★★★
今般発売された「キネマ旬報」の寅さん特集でも表記されていたが、この38作はシリーズ全体の中でも傑作の1本に数えられている。何しろ冒頭に「夢」のシーンがなく、寅さんのさくらへの思いのナレーションから入る作り方からして、山田洋次監督はここに集大成を持ってきたかったのではないかと思う。なぜか?それは早川雪洲に次ぐ世界の名優・三船敏郎をゲストに迎えたからだろう。ヒロインは竹下景子だが(当時は本当に可愛かった!)、どちらかというと主軸は三船と淡路景子の老いらくの恋に置かれている。要は寅さんが脇に回っているのだ。「野良犬」では対峙する関係だった二人が40年経って魅せる「恋愛感情」の演技は極上である。特にバーベキューのシーンでの三船の告白シーンは邦画史に残る名場面となった。舞台となる知床の情景も素晴らしく、シリーズものという要素を外しても邦画史に輝く大傑作だと思う。黒澤映画の三船も良いが、自分は三船のベストアクトとして本作を挙げたい。大好きな作品である。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
大変良く出来ています
。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
ホント満点を付けても良い出来です。