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枯木灘 (河出文庫 102A)

中上 健次
おすすめ度:★★★★★
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すごい本
おすすめ度 ★★★★★

 レビューにも日本文学の最高傑作と書かれている方があって、それならばと読んでみたのだけれども、確かにものすごい完成度の高い作品だと思う。自分の中では今まで読んできた小説の中では絶対にベスト3には入る。ただの近代私小説よりは構成でも印象でもこの本の方が格段に上だ。
 所謂性とか暴力、複雑な血縁関係の中から生じる苦悩などを描き出した作品。複雑、と言っても一通りでなく、従来のメロドラマの離婚・不倫・妾の子などが何重にも重なっており、ほとんど網のになっている。そこから感じる苦悩や、兄弟内の事件、自分の本当の父の肖像などが何度も繰り返し(くどいほど)語られ壮絶な中に生きる主人公の姿が目に見えてくるようだった。すべてを忘れるために土方作業に打ち込む時の鮮烈な描写も忘れられない程インパクトが強い。主人公のやりようの無い思いも簡潔な文章でありながら、ひしひしと伝わってくる。
 似た様な小説は石原慎太郎氏なども書いているが、血縁関係などをからませる中上健次氏の文章の方が私は好きだし、印象深いと思う。日本人必読、とはさすがに言わないけれども、日々の生活に不満や憂鬱を感じている人などには同感できるのではないかと感じた。興味がある人は勿論読んでみるといいと思う。



非常に複雑な人間関係
おすすめ度 ★★★★☆

中上氏の小説の多くは血縁の強さや田舎の土地に対する執着心等を題材にしたものですが、この枯木灘はその集大成と言っても過言ではないと思います。
枯木灘にある小さな町で息が詰まるような血縁のなかで生きている主人公の秋幸。彼がその血縁の呪縛から解放されるのは汗を流してツルハシを振る降ろす土方仕事中だけ。複雑すぎる血縁関係のため巻末の血縁関係図を何度も見ながら読み進まなくてはいけないほどですが、少なくとも自分の周りでは考えられない世界がこの本には広がっており、面白いと感じました。



反復の力
おすすめ度 ★★★★★

jazz、ドラッグそしてマルクスの読解。若い中上がこの「枯木灘」を書き上げた時、江藤淳は〈日本の自然主義文学は七十年目に遂にその理想を実現したのかもしれない〉と書いた。1977年のことだ。また〈土と血を呼吸する氏自身のこころの鼓動によって人物たちをとらえ〉〈人がこの世に生きる哀しみの唱を唱い得たのである〉とも書いた。

jazz、ドラッグそしてマルクスの読解。若い中上は徹底的な内省によって男女や親子そして家族といった人間の基本的な関係性を前代未聞の官能的な散文で定着していった。それらはおびただしい傑作短編群として今ぼくらの前にある。彼の初長編「枯木灘」で達成されたのは、これらの関係性が反復されて織り成される歴史である。人間の基本的な関係性の反復は単調でやりきれないものだ。だが誰もそれを免れ得ない。しかしその透徹した認識のみが自由をもたらし、徹底した反復の積み重なりを正確に描ききる行為が驚くべき表現となることをこのすぐれた作家は30歳にして証明して見せたのだった。
「枯木灘」はラベルのボレロのように鳴っている。



最高傑作
おすすめ度 ★★★★★

日本文学の最高傑作です.こんな衝撃的なラストは見たことありません.きっちり落とし前をつけるだけのお行儀よい小説にウンザリしてきたあなたには、ずっと探していた小説と思えるかも.



良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★

言うまでもなく最高峰 。他の方がコメントされているとおり、
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。



中上健次 動画

中上健次



岸大武郎 中上健次 鋼鉄ジーグ