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批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)

廣野 由美子
おすすめ度:★★★★★
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「書く側」と「読む側」、両方からのアプローチ
おすすめ度 ★★★★★

副題に『フランケンシュタイン』解剖講義とあるように、小説『フランケンシュタイン』を題材にした批評理論についての入門書です。

本書は二部構成となっており、第一部でまず「小説技法」を、そして第二部で「批評理論」を学ぶことができます。
このように、小説の本質を理解するに際して「書く側」と「読む側」の両方からのアプローチを示してくれているというのが本書の最大の特長です。
小説を読むのが好きな方は、本書を読むことによって今までの何倍も小説を楽しめるようになるかもしれません。

『フランケンシュタイン』については、小説を読んでいなくても映画を観ていれば十分ですし、仮に映画すら観ていなくとも初めにあらすじを丁寧に説明してくれているので理解できないということは無いと思います。
むしろ、本書を読むことによって『フランケンシュタイン』を読んでみたいと思い、更にはもっともっと色んな小説を読んでみたいと思う方が多いのではないでしょうか(私がそうです)。

分かり易さと、情報量の多さは新書という形式においては完璧だと思います。



現代思想の鏡としても。
おすすめ度 ★★★★☆

フランケンシュタイン(メアリ・シェリー著)を例にとり、書き手の側と読み手の側とから分析を進めていく。

一部では小説の書き方を解説している。そこでは冒頭・ストーリーとプロット・語り手・焦点化・提示と叙述・時間・性格描写・アイロニー・声・イメジャリー・反復・異化・間テクスト性・メタフィクション・結末といった表現方法を通じて作者の意図したところを推察し、またこれらの表現がどういう結果を生んでいるか説明する。

二部では様々な批評理論を紹介する。順に挙げると、伝統的批評・ジャンル批評・読者反応批評・脱構築批評・精神分析批評・フェミニズム批評・ジェンダー批評・マルクス主義批評・文化批評・ポストコロニアル批評・新歴史主義・文体論的批評・透明な批評だ。現代思想のテーマを見るものとしてもいいかも。
切り口によって違うものが出てくるように書けるのは作者の才能か、それとも理論がこじつけなのか、あるいは人間の意識には深いところがあるのか…。



「文芸批評って、何してるの?」という問いに対し、説明責任を果たしている
おすすめ度 ★★★★★

 おもしろい。
 文芸批評の分野では、多弁的で情緒的な本が多いなか、本書は、抑制された文体で、手際よくまとめている。
 たまに世間から飛んできそうな「文芸批評って、何してるの?」と問いに対し、説明責任を果たしている。著者は、文芸批評業界の一端でありながら、この説明責任に関し、業界を背負っているような気概を感じる。新書こそ、本書の舞台にふさわしい。
 批評理論諸説の概説にとどまらず、「小説はここまで読み込める」ということを示している。また、「人間とは何か」「世界とは何か」という問いに対する鋭い洞察が、さらりと書いてある。
 だから、文学や文芸批評に興味ない人にも、おすすめである。
 個人的には、「脱構築批評」よりも、「透明な批評」に、親近感をもった。



「フランケンシュタイン」を題材に各理論を紹介した入門書
おすすめ度 ★★★☆☆

「フランケンシュタイン」一本で例示しており、批評理論から文学作品を
読み解く入門書としてはうってつけでしょう。
だが「批評」とは何かについての根本的問いが欠けているので、批評=文学
作品の方法論に基づく分析、というごく平凡な前提を刷り込む結果にもなっ
ている。



凄いの一言
おすすめ度 ★★★★★

はっきりいって、すさまじい出来です 。TOP100ランキングに入っているのでご存知の方も多いと思いますが、
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!



フランケンシュタイン 動画

フランケンシュタイン



有栖川有栖 フランケンシュタイン イ・ドンゴン