賛否両論あるようですが、1970年代生まれの私からは、この作品に描かれている情景が実際と違うかどうかはわかりません。そしてもちろん、どの時代にも光と影はあるでしょう。たとえば、多くの炭鉱労働者が過酷な労働を強いられ、事故で命を落とした人々がたくさんいたこと、等々。原作から設定が変えられていることに不満がある方もいらっしゃるようです。
しかしそれでも、映画の作り手の方たちが本当に描きたいテーマを絞ってブレさせることなく描くとしたら、これが最良の手法の一つであることは確かだと思います。あとは、それぞれの人が自分の人生の物語に重ねて、自分の「三丁目の夕日」にしていけばよいのでしょう。
技術と予算をいかに使うかは自由ですが、対立や暴力や殺戮を映像にすることにそれらを費やす映画が多くつくられる中で、団欒や人の心の温かさや平和な日常を描くことにすべてを注ぎ込んでつくられた点で、すばらしい作品だと思います。
暴力は暴力を生むだけ、反暴力も暴力の連鎖を生むだけ。結局、家庭の団欒や穏やかな日常、そして人と人とを比べて苦悩したり批判したりするなく、ありのままの個性を愛し合う明るさのみが、幸せな世界をつくることができるのだと思いました。
昭和30年代を生きた、その時代の空気がよみがえる。おすすめ度
★★★★★
戦後の復興、高度経済成長、家電製品の掃除機、冷蔵庫、テレビが自宅にやってくるたびに、どんどん豊かになっていく活気があった昭和の時代。
この映画では、それ以上に、人の心の温かさに感謝の気持ちを抱く。
昭和30年代の世界が、まるで、タイムスリップした場面に、同じ時代を生きた人たちが脳裏に浮かぶ。
ラストシーンに涙する。
その涙には、もう会えなくなった大切な人たちへの想いも重なる。
素晴らしい映画です。
今も昔も変わらない大切な絆おすすめ度
★★★★★
この映画をみて現代を生きる人たちが忘れかけている大切な絆がこの映画にはあると思いました。
いままで見た映画のなかでは一番感動した映画がこの三丁目の夕日です。
特に最後の淳之介と茶川さんのシーンなんかは涙が自然と出てきます。
この三丁目の夕日はすごいまっすぐな見ていてピュアな気持ちになれる映画だと思います。
まだ見ていない方はぜひ見たほうがいいと思います。
オールウェイズ続三丁目の夕日もよかったけれど僕はオールウェイズ三丁目の夕日の方がいいと思いました。
あとさすが日本アカデミー大賞を総ナメにしたすごい映画だと思いました。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
とても面白いじゃないですか
。従来の伝統を引き継ぎつつ、バランスがうまくとれてます。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。
概要
昭和33年。東京の下町の自動車修理工場に、集団就職で青森からひとりの少女が就職してきた。六子は大きな会社を期待していたが、小さな工場でガッカリ。それに怒った社長の則文だが、やがて六子は則文の妻トモエや息子の一平らと仲良くなり、一家になじんでいく。一方、売れない作家の茶川は、飲み屋のおかみのヒロミから、親に捨てられた少年・淳之介を押しつけられ、一緒に生活することに。最初はけむたがっていたが、淳之介が自分が原作を書いている漫画のファンだと知り、次第に距離が縮まっていく。そんなとき、淳之介の本当の父親が現れ…。
東京タワーが完成し、白黒テレビが出始めた昭和30年代を舞台に、人情味溢れる下町の人々の心温まるエピソード満載の感動作。堤真一(工場の社長)薬師丸ひろ子(社長の妻)吉岡秀隆(作家)小雪(飲み屋のおかみ)など人気と実力を兼ね備えた役者陣も好演だが、一平演じる小清水一輝のヤンチャさ、淳之介演じる須賀健太のけなげさが、この映画のチャームポイント。また下町の人情がホノボノと胸を打つゆえに、後半のさまざまな別れには泣かされっぱなしだ。昭和の景色を再現したCGも見事だが、やはり映画は映像だけでは語れない。人々のやさしさに、心の清らかさに触れることのできる原作(西岸良平の同名漫画)のハートを山崎貴監督がきちんと映し出したからこそ、感動できる映画に仕上がったといっても過言ではないだろう。(斎藤 香)