黒人ギャングとユニクロの共通項!?おすすめ度
★★★★★
1970年代のニューヨークって、すごく荒れていたんだなってことが読み取れます。
ドラッグが蔓延していたからこそ、フランクのような黒人ギャングが成り上がってくる。
悪しき肥沃な土壌が、その当時のニューヨークにはあったわけですね。
実話がベースになっているので、そんな時代背景を感じるだけでも勉強になります。
さて、悪事に手を染めて頭角を現すものは、今も昔も狡猾なもの。
フランクも巧妙かつ大胆な手口で、戦地ベトナムから軍用機を使ってヘロインを密輸。
川上から川下まで垂直統合するSPA(製造小売り)、つまり「ユニクロ」のようなビジネスモデルを構築して、高品質なのに廉価な品物を提供し、消費者に爆発的な支持を得ます。
そんなふうに考えると、フランクも大したものです。
物語としては、『アンタッチャブル』の70年代版という感じです。
※ アンタッチャブルは1930年代の禁酒法施行下のシカゴが舞台でしたね。
実録犯罪サスペンスとして大変読みごたえがありました。
雑誌の記事に興味をそそられ…おすすめ度
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いつも購読している『PLAYBOY』誌に掲載されていた「『アメリカン・ギャングスター』の素顔」という記事を読んで、本書を買いました。
『PLAYBOY』の記事は、映画『アメリカン・ギャングスター』のモデルである実在したハーレムの麻薬王フランク・ルーカス本人のインタビュー記事でした。
最初の逮捕で懲役70年を宣告されたものの、特赦を受けて81年に釈放。
その後、再び麻薬犯罪で捕まり、91年に釈放されたそうです。
タイ、ビルマ、ラオスの国境にあるゴールデン・トライアングルの状況や、まるで戦争のような帰路、軍用機を使ってヘロインを密輸する話など、70年代当時の生々しい話が綴られており、すごく興味をそそられました。
ノベライズである本書は、買ったその日のうちに一気に読破してしまったのですが、もちろんのことながら一連のより詳しいストーリーがあり、こうした雑誌の記事と照らし合わせて読むことで、より一層味わい深いものになりました。
ちなみに『PLAYBOY』には、フランク・ルーカス本人とリッチー・ロバーツ元刑事本人のツーショット写真も掲載されていました。
2月の映画公開が待ち遠しいです。
流通革命を起こした経営の天才!?おすすめ度
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60年代末から70年代にかけて、ドラッグの帝王としてニューヨークに君臨したギャングの“実話に基づく物語”です。
主人公のギャングは、犯罪を犯した基本的には感心してはならない人間なのですが、卓越した経営センスの持ち主であることは確かです。
もともとは、ドラッグが消費者(?)の手に渡るまで、何人ものディーラーの手を通じて流通していたため、末端価格は原価の何倍にもなっていました。
が、この物語の主人公は原産地から消費地まで直輸入・直取引することによって、中間マージンを皆無にし、劇的に末端価格を下げました。
そのうえ、品質向上にも努め(??)、ドラッグの純度をほぼ100%に近い形で流通させたのです。
つまり、「高かろう、悪かろう」で流通していた業界に、「高品質にして低価格」の商品を投入したことでドラッグ界に流通革命を起こしたわけです。
これが評判を呼び、ブランディングまで成功。結果として、巨万の富を築きあげたのですが、いかんせんそもそも犯罪であるところが、残念。
「たら」「れば」の話になりますが、実業界でも成功していたかもしれない逸材です。
妙な形で感心することになりました。
映画は早くも話題におすすめ度
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アメリカでは2007年11月公開し、
来年1月に発表されるゴールデングローブ賞に作品賞・監督賞・主演男優賞と3部門でノミネートされ、
大変話題になっている映画のノベライゼーションです。
舞台は70年代のニューヨーク。
ドラッグの元締めとして裏社会の頂点に上り詰めた黒人ギャング。
この“ブラック・コネクション”の崩壊を狙う白人麻薬捜査官。
金脈を築き上げる巧妙な手口や2人の対決、最終的な結末など、
実話に基づく物語だけに迫力があります。
日本での映画公開は来年1月とのことですが、いまから楽しみです。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
今回の発売がすごく嬉しいです
。TOP100ランキングに入っているのでご存知の方も多いと思いますが、
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。