モラルを超越していると思わせぶりに殺人しまくりながら生命の価値を問うている案外まじめな子供チームや、ただ生きて殺している野獣チームもそれぞれのエピソードごとに素晴らしいのですが、やはり、リアリズムに徹しながら自分の美意識と社会の論理(倫理)の両者をできるだけ効率よく満足させようと試行錯誤している大人たちが非常にかっこいい。大人チームの面々が地位やプライドや親の愛情を守るためにがんばって、時に自分なりの価値に拘泥しながら人によりあっさりと死んだり破滅していく姿が、子供や野獣たちの活躍ぶりを際立たせてくれます。
なかでも、総理大臣。名セリフの出現率が一番高いんじゃないでしょうか。この破壊的で爽快なワールドの空気を的確に読んで、ひたすら期待を上回るパフォーマンスを演じてくれます。自分や国家の利害ではなくこの世紀末的な物語のために身をささげています。
ファン感涙おすすめ度
★★★★★
新井英樹さんの傑作がインタヴュー、若干のページ追加、カッコいいカバーを
引っ提げて帰ってきた。評価の割に知名度が低い作品だったため、いい意味でも
悪い意味でもマニアックな印象があった。今回の再版で多くの人に知られることに
なったのではないだろうか。
加筆はあっても話の筋はちっとも変わりなく、意見の分かれるエンディングも
そのまま。私はインタヴュー目当てで購入したが、新井さんにしてはとても長い
お話(というよりも解説)をされていてとても満足できた。
必ず賛否両論にぱっくりと割れ、どうしても勝手な解釈や深読みを読者にさせてしまう
壮大な内容に反し、「ホラ話」と語る新井さんに尊敬する。押し付けがましく教訓的な
内容やメッセージを垂れ流す映画小説音楽の類は見習って欲しい。
全ての人にはお勧めできない作品。善悪の判断が曖昧な人には危険なバイブルに
なる可能性がある。
細部まで妥協なし
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
!いや~、ほんと(・∀・)イイ!久々に良い買いモンをしました。
買って良かったと思います。